オヘビイチゴ
バラ科
ウチの認知症の母は
この類の花がとりわけ好きなようで
いつもの所に咲いているいつもの花に
いつも歓声を上げる
毎回新鮮なのだ
お母ちゃんは黄色い花が好きなの?と聞くと
そんなことはないよ 何でも好きだよ
と言うが
やっぱりこの小さな花によく反応する
母はある意味不運な人で
人生は我慢
という言葉がぴったりだった
それをおおらかに耐え抜いてきた人である
もっとも
激動の時代を生き抜いたこの世代は
楽な人生だった人などいないだろうが
きっと
雑草のような自分
という意識によって
野原の小さな花に共感しているのだろうと思う